室伏広治さんの言うとおり
賭博の問題点と社会への影響
賭博の個人への影響
賭博やギャンブルは、人間の射倖心を刺激し、過度に没頭することで中毒的な依存状態を引き起こすことがあります。このような状態は、破産や人格崩壊といった深刻な個人的問題を引き起こすだけでなく、最悪の場合、自殺や殺人といった社会的悲劇をも招きかねません。古代から語られる物語や伝説では、賭け事によって全財産を失ったり、詐欺に遭うといったトラブルが描かれ、賭博の危険性に警鐘を鳴らしています。
経済への影響
賭博は、金銭が胴元と参加者間、または参加者同士でのみ行き来するため、経済生産を生み出さないという批判があります。このような非生産的な活動に人々がエネルギーを費やすことは、生産的な行為を阻害するとも考えられています。しかし、娯楽としての賭博が持つ様々な効用も指摘され、この見方には反論も存在します。
社会問題としての賭博
違法賭博は、暴力団や犯罪組織などの反社会的勢力の資金源となることがあり、深刻な社会問題を内包しています。一方で、賭博を合法化し、法規制の下に置くことによって金の流れを透明化し、反社会的集団との関係を断ち切ることが可能になるという意見もあります。
スポーツ賭博と八百長問題
スポーツを賭博の対象とすると、競技者の買収や八百長が発生する可能性があります。これはスポーツ賭博の合法・非合法に関わらず、プロスポーツの公正性を侵害する行為であり、重大な問題として全世界で認識されています。八百長問題は、スポーツ賭博の導入に対する反対論の有力な根拠となっています。
賭博と株式市場の関連
2020年の調査によると、32か国を対象にした分析では、ギャンブル活動が活発な国では株式市場の価格変動が大きくなる傾向が見られました。これは、賭博が経済全体に与える影響の一面を示していると考えられます。
ギャンブル依存症とは
概要
ギャンブル依存症、またはギャンブル障害とは、行為・過程アディクションの一種であり、「やめたくてもやめられない」状態に陥る精神疾患です。この状態は、ギャンブルによって普段の生活や社会活動に支障をきたす特徴を持ちます。治療は簡単ではなく、自然治癒が難しいとされています。
依存症の原因
ギャンブル依存症は、勝ち負けやギャンブルの演出効果により脳内で分泌されるドーパミンが報酬系に作用し、快感を覚えることで依存傾向が高まることにより引き起こされます。この依存症により、患者はギャンブルを続けることでしか満足を得られなくなるのです。
定義と歴史
ギャンブル障害は精神疾患の一つとして分類されており、医学的にはDSM-5では「ギャンブル障害」と呼ばれ、ICD-10では「病的賭博」とされていました。本障害は、持続し反復する問題賭博行動によって機能障害や苦痛が生じる状態を特徴とします。また、社会的に不利な結果を招きながらも賭博行為が持続することが本質的な特徴です。
歴史的な背景
古代からギャンブルは多様な形で存在しており、依存症の例も見られます。例えばローマ帝国のネロや古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』に登場する王子、フランス王妃マリー・アントワネットなどがその例です。長らくギャンブルへの依存は否定的に捉えられてきましたが、1970年代以降、ギャンブル依存を精神疾患として認識する動きが広がりました。特に1972年にアメリカで試みられた入院治療や、WHOによる認定がその始まりです。
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